癒す心、治る力 アンドルーワイル




癒す心、治る力
アンドルーワイル
角川書店
840円

 

 

 






 

またまたワイル博士の本の紹介です。こういった自然治癒に関する本は山とありますが、ハーバード大学医学校を卒業した普通のお医者さんだったワイル博士が、西洋医学での対症療法に限界を感じ、行きついた先がこの代替療法や薬用植物だったというところがポイント。全てを学んだ人が色々やってみた結果、やはり西洋医学はただのバンドエイドでしかないという結論に達したわけで、これだけ医療が進化した現代社会において、未だに様々な病気に苦しむ人が減るどころか増え続けている現実を考えれば、彼の提案を実践してみる価値は十分にあるのではないかと。

こちら、『癒す心、治る力』は、文字通り、人間の心と体がいかに密接に繋がっているかについて書いた本。彼の患者や彼自身が経験した様々な治癒の体験談は、不思議物語にしか思えないかもしれませんが、これが本当だと思える人ば病気に対する向き合い方を変えることが出来る一冊。

例えば薬用植物の治癒例に挙げられている女性はイチョウの葉のエキスで様々な病気が治ってしまいます。杖なしで歩けなかった女性が普通に歩けるようになったり、聴力回復、顎関節症、抑うつ症状がなくなったなど。(これを読んで、最近顎関節症ぎみだったので思わずイチョウサプリを買った私ですが、そういわれてみれば、今全くガクガクしていないことに気づきました!)または、ブラッドルートというハーブで、あざやほくろが消えたり、果ては悪性黒色腫が治った実例など、植物の様々な治癒例の他に、身体症状に対して精神や感情がいかに影響を与えているかについても深く掘り下げています。たとえば、『無意識のこころは病気のプロセスの本質とその治し方を知っている』という仮説に基づいた相互誘導イメージ療法。腰が痛いという患者を軽いトランス状態に誘導。すると患者は意識を持ったまま、腰の痛みに対して何をすれば良いかを、自分自身の無意識にアクセスして聞き出すという方法で、実際に、ワイル博士もこの方法で自分自身に治癒方法を聞くことで様々な症状を治しています。

後半は、治癒とこころがいかに関係しているか、人はなぜ病気になるのか、がんの自然退縮についてや治癒力強化の方法、また、その治癒力を最大限に生かすために心がけるべきこと、例えば、有害物質についてや食生活、ハーブについてなど『ナチュラルメディスン』とも内容が少しかぶっていますが、実践的な内容となっています。ふたたびスーパーで買い物ができなくなりますが。

博士も述べていますが、現代西洋医学において、たとえば、癌が、突然自然退縮して完治してしまう事例などをただの偶然と片づけてしまい、この分野での十分な研究がまったくなされていません。いかに健康な生活を送るか、ではなく、病気になったらどうするか、が医学のテーマになってしまっていること自体が問題なのではないでしょうか。

心が体に与える影響は計り知れません。私たちのほとんどは自分たちにそんな力が備わっているなんてこれっぽっちも思っていない。病気を治してくれるのは医者と薬。でも切り傷が勝手に治って行くのは誰もが目にしているわけで、同じことがどんな病気にも起こり得ると考えない方が私はおかしなことだと思います。骨折の治癒過程というのは信じられないほど完璧だそうです。折れた骨がくっついた後は、経験豊かなレントゲン技師が見ても、接合部分がわからないそう。人間の体は私たちが思っているような簡単なものじゃないみたいですね。