5年目に入ったサーファーズジャーナル日本版 5.1号4/10発売


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今号で日本版スタート5年目に突入するサーファーズジャーナル。 サーフカルチャーを独自の視点で切りひらくスタイルは、サーフィンの奥深さにふれることができる貴重な雑誌として、多くの読者から支持を集めています。今号も濃い内容でお届けします

The Man From The Year 2000
「西暦2000年からやってきた男」
スタント・パイロット、ディオン・アジウス
文:ジェド・スミス

21世紀に入っておそらく初めて登場した真のモダンサーファーであるディオン・アジウスはタスマニア島沿岸部で育った。その後、ゴールドコーストで10代を過ごしたディオンは運よく、サーフムービー製作で若くして才能を開花させたカイ・ネビルと親交をもつようになった。彼はプロをめざし、アーリーウープなどの空中技を確実にメイクし、他を凌駕したが、WQSでスコアを伸ばせないまま、ディオンのプロサーファーとしてのキャリアはスタートを切る以前に埋没してしまう。プロの道をあきらめたディオンはカイの”ロケ”にに同行し、撮影監督の道を志した。そして、28歳に達した今、自らその人間形成の一翼を担った『すばらしい新世界』とむきあう。
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California Scene Paintings(1930-1970)
「カリフォルニア・シーン・ペインティング1930-1970」
太陽降りそそぐカリフォルニアのヴィンテージ・サーフアート
文:ゴードン・T・マクレランド
太陽が輝くカリフォルニアは、1850年に州となる以前から開拓者たちにとって人気の場所だった。南カリフォルニアの亜熱帯気候と最高にうつくしい光。とくに屋外で絵を描くのが好きなアーティストたちにとってはぴったりの場所で、やがて、カリフォルニア・シーン・ペインティングとよばれるジャンルが登場し、これは、この地の日常を水彩と油彩で描いたものをさすようになった。そして金鉱採掘のキャンプやダウンタウンのストリートシーン、郊外の農民たちの風景やビーチカルチャーなどが格好の対象となった。
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Seeing Fatima’s Eyes
「ファティマの目を見つめる」
トーマス・キャンベルによるモロッコの旅の記録
ここに紹介する写真を撮ったフォトグラファーにとって、モロッコはつねに愛すべき場所、というわけではなかった。1991年、2か月半の滞在となった初めてのモロッコでは、言葉が通じないときに必要なスキルをいかに伸ばすかを学んだ。モロッコでは盗みと押し売りが日常茶飯事で、もちろん彼もそれに遭遇し、なんとか阻止したこともあれば、やられることもあった。彼はモロッコで皇太子から敬意を表され、国営放送に出演し、地中海気候のポイントで波に乗った。アートと世界旅行への入門としては、23歳にして幸先のよいスタートを切ったといえるだろう。以来、彼はこの地を10回以上訪れている。キャンベルが最初にこの地に降り立ったころ、モロッコはすでにサーファーの目に止まりはじめていた。ここはヨーロッパの人気スポットへとつづく南端のターミナルだ。9月のフランス、10月のスペイン、11月のポルトガル、そして大西洋を低気圧が通過する季節には、モロッコのタガズーが待っている。‘60年代後半、ポール・ウィッツグがここでウェイン・リンチとナット・ヤングを撮影して以来、モロッコ熱は今日までずっとつづいているのだ。
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A Lousy Slave
「ダメな奴隷(どれい)。ピーター・シュロフに会ったかい?」
時代の先を走るトリックスター、ピーター・シュロフ
文 : ジェミー・ブリシック
前衛芸術家として、シェーパー、そしてパフォーマーとして、1980年代にエコービーチから華々しく登場したピーター・シュロフ。彼はあきらかに時代の先を走っていた。そして30年経ったいまも、彼はあのころと変わらぬトリックスターだ。
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Every Clouds Has a Silver Lining
「ひとひらの波」
うつくしき自然と豊饒の海、在りし日の東北の思い出。
文・写真:鴨治 淳子
あまりにも多くのものが失われた東日本大震災から4年が経ったいまも、いまだに多くの命が失われた海に入っていいのかと葛藤(かっとう)する者、海に戻ろうとする者、子供のころから慣れ親しんだポイントの変わりはてた姿がショックで戻れない者、放射能を恐れて波乗りを辞めてしまった者、サーファーのあいだでもいろんな意見がぶつかり合って、それぞれのこころに残った傷がけっして浅くないことを思いしらされる。
Every clouds has a silver lining=どんな雲にも光があたる場所がある。どんな絶望のなかにも、光はさす。そして、その光は、わたしたちひとりひとりの考えや生き方のなかにそそがれる、ひとひらの波のように…
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Cote Sauvage
「孤独な島、ベルイル島」
サーフィンを愛する作家の住む島、ベルイル島
文:ドン・ワレス
月のない闇夜に動きの速いスコールの雨雲。やがて孤島がうっすらと見えてきた。古びたディーゼル式フェリー、ゲロバー号が大きなうねりを乗り越え、波の反対側につき落とされるたびに、巨大な緑色の水の壁が船のデッキを打ちつける。ぼくたちはその狭間に一瞬見えるかもしれないホテルや屋外カフェの灯など、なにか人の気配を感じさせてくれる景観に飢えていたが、確認できるのは港に横たわる巨大な防波堤に設置された数個の航路標識の点滅する光のみ…
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Tales From Punnanjar
「プナンジャール紀行」
熱帯雨、タイヤのパンク、泥だらけの道、そして思いもよらなかったインドネシア太平洋岸の完璧な波。
文:エミリアーノ・カタルディ
写真家のジョン・キャラハンをともなって筆者のエミリアーノ・カタルディたちはインドネシアの奥深くにバージンウエーブを求めて分け入った。そこで体験した彼らの熱帯のマジックとは…
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Those Many Unmarked Miles
「道の終わりの向こう側」
ポートフォリオ:ジェレミー・コレスキー
写真家ジェレミー・コレスキーとブリティッシュコロンビア沿岸。
文:マルコム・ジョンソン
ジェレミーが捉えるワイルドな場所や生き物たちの姿は、誓いと可能性とを与えてくれる。完璧な波に彩られた雄大で神秘的な海と、そこに生きる壮大でありながら人間に翻弄される生き物たち。世界はここにあり、彼の写真はそれを語るように伝える。かつての、そして現在の、うつくしい世界の姿は、ふたたびその姿を取り戻せることを教えてくれる。もしも、ブリティッシュコロンビアの海岸線のありのままの自然が守られていくのであれば、きっと、ジェレミーの写真に刺激をうけた人たちが大きな役割を果たすことだろう。アーティストであり作家でもあったエミリー・カーが記したように、「地球には継ぎ目などない。私たちはひとつの繋がりである」からなのだ。
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