化粧品の成分を分析してみたーヘアケア製品編


先日ご紹介した『化粧品に含まれる化学薬品について』の記事が怒涛の1000イイネ超えを記録しておりまして、興味をもって下さっている読者がたくさんいるのはとてもうれしいです。テレビ、新聞、雑誌、インターネットといったあらゆるメディアにいえることですが、本当の情報もあれば、ウソの情報も多いわけで、情報過多のこの時代、まずは、その情報が正しいかどうかを見きわめる洞察力のトレーニングがもっとも重要だと思います。

さて、本日は、実際に、一般的に販売されている化粧品にどのような成分が含まれるのかを具体的に分析してみたいと思います。『化粧品に含まれる化学薬品について』の記事でも言いましたが、化粧品にはなにが入っているかご丁寧にすべて表示されているので、しらべれば毒入りかどうかは結構すぐわかるのですが、いかんせん、まさか毒など入っていないだろうという前提で、なにもしらべず使っている人があまりにも多いので、こちらでちょっと分析してみます。

今回取り上げてみるのはナチュラルであることをブランドイメージとして打ちだしているロクシタンの製品。個人的にもかつて、ナチュラルなんだろうと思い使っていたブランドです。分析するのはこちらのシャンプー。

ファイブハーブス スージングシャンプー
500ml 3360円(かなり高価なシャンプーですね)
>>>ロクシタンサイトでの製品紹介文
清らかに、なめらか髪。地肌からすこやか、スムースヘア。プロヴァンスの清らかな水のように、うっとりスラリな指どおり、透きとおるなめらかさ。自然のチカラで、地肌から生き生きすこやかに。ハーブのシャワーが、髪に甘くピュアな香りを運びます。
サイト掲載の成分:
【保湿成分】ローズカミツレ花油、レモングラス葉油、メボウキ油、アトラスシーダー樹皮エキス、マンダリンオレンジ果皮油

というわけで、ロクシタンのサイトに掲載されている情報はこれだけ。化粧品のブランドサイトはこのように全成分を掲載していないところが非常に多いです。さて、気になる全成分は下記の通り。

 


成分名 成分分析
溶剤
スルホコハク酸ラウレス2Na 合成界面活性剤、洗浄剤。刺激はそれほど強くない。
ラウリル硫酸TEA 合成界面活性剤、洗浄剤。皮脂を取り除き皮膚を乾燥させる。目に入ると良くない。動物実験では受精卵の死亡報告あり。
デシルグルコシド 合成界面活性剤、洗浄剤。刺激は少ないが洗浄力は高くない。
トリオレイン酸PEG/PPG-120/10トリメチロールプロパン 合成界面活性剤、乳化剤
ラウレス-2 植物などの天然油脂から得られる高級アルコールからつくられる乳化剤成分
カプリロイルグリシン アルカリ性に偏った肌を鶉酸性に修正し、脂漏性皮膚炎の症状を改善
ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コムギタンパク 陽イオン界面活性剤
ヤシ油アルキルグルコシド ヤシ油を精製して得られた脂肪族アルコールと、デンプンから得られた糖(グルコース)を結合させたもの。皮膚の保護剤、スキンコンディショニング剤、ヘアコンディショニング剤として多くのスキンケアに使用
オレイン酸グリセリル 合成界面活性剤、乳化剤。天然由来の合成剤だが、天然と表記している製品も多い。比較的安全とされており、無添加化粧品にも配合される。
クエン酸 キレ-ト剤、pH調整剤
安息香酸Na 防腐剤、香料。毒性は低く通常の使用量では問題ないが、大量摂取は浮腫、呼吸障害、腹部膨満感などが報告されている。
アラントイン 消炎性、保湿剤。牛の羊膜の分泌液中に発見された成分。細胞増殖作用があり、皮膚組織を形成し傷を治癒。
PEG-7グリセリルココエート 合成界面活性剤、乳化剤。グリセリンとヤシ油から精製される界面活性剤。
水酸化Na pH調整剤、アルカリ剤。天然塩が原料だが強いアルカリ性の溶液で皮膚を溶かすが、通常油脂分と結合して石鹸となるため問題はない。
ポリクオタニウム-10 陽イオン界面活性剤。シリコンに変わる植物繊維由来の保護膜を生成する成分。刺激や毒性も低くコンディショニング効果あり
香料 単一香料又は調合香料
ポリクオタニウム-7 陽イオン界面活性剤
アトラスシーダー樹皮エキス 保湿性
ソルビン酸K 防腐剤。細菌やカビの増殖を抑えて、食品の腐敗を防ぐ合成保存料。発がん性があると言われている。
ローマカミツレ花油 香料、精油
メボウキ油 香料、精油
マンダリンオレンジ果皮油 香料、精油
レモングラス葉油 香料、精油
 

化粧品にかぎらず、食品などをふくめ、成分は入っている量が多い順に書いてあります。つまり、こちらのシャンプーの場合、水を一番多く含み、そのつぎに多いのがさまざまな界面活性剤。サイトに堂々と掲載されているナチュラル成分は、リストの一番下ということで、含有量は一番少ないのです。「自然のチカラで、地肌から生き生きすこやかに。」だそうですが、少量入っているだけで、ナチュラル成分配合と謳える

【界面活性剤について】
泡立つシャンプーを語るにあたって、界面活性剤、つまり洗浄成分のことをもう少しくわくお話ししなくてはなりません。洗浄成分が化粧品とは切っても切りはなせない関係にあるのはまちがいなく、その良し悪しについてはさまざまな意見があり一概にはいえませんが、とくに注意したいのは「硫酸系界面活性剤」だといわれています。

ラウリル硫酸アンモニウム
ラウリル硫酸Na
ラウリル硫酸TEA
ラウレス硫酸Na
コセス硫酸Na

など成分名に「硫酸」の入るもので、ヤシ油などを高圧還元してアルコールとし、硫酸化した安価で強力な洗浄剤。市販シャンプーの多数に使用され、台所洗剤とおなじ主成分。泡立ちはよく、大量の泡ができることと安価であることからよく使われます。肌への悪影響もさることながら、生分解性が悪く、海や川の汚染が気になるといわれれば、海を愛するBeach Pressとしてはあまり使いたくない成分です。

オーガニック系の化粧品にももちろん活性剤は必要なのですが、肌への刺激や環境負荷がすくなく優秀な洗浄剤として、オーガニックシャンプーでよく用いられるのは、
アミノ酸系界面活性剤 (ココイルサルコシンNa、ラウロイルグルタミン酸Naなど)
ベタイン系(両性)界面活性剤 (コカミドプロピルベタイン、オリーブアンホ酢酸Naなど)
グルコシド系界面活性剤 (カプリルグルコシドなど)
たんぱく質系界面活性剤 (ココイル加水分解コラーゲンNaなど)
で、泡立ちは「硫酸系」に比べて劣るそうです。オーガニック、ナチュラル系シャンプーの泡立ちが悪いというのはこのためでしょう。

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さて、その界面活性剤ですが、ファイブハーブス スージングシャンプーには、しっかりと『ラウリル硫酸TEA』が入っています。メーカー側はもちろん、「適量だから問題はない」というわけですが、ここまで成分をくわしく調べてみると、あとは個人の選択でしかありません。以前から繰り返しおつたえしていることですが、企業が私たちにどんな製品を提供するか、その主導権を握っているのは紛れもなく私たちです。私たちが買わなければ企業は提供しません。

これでまたメーカーをひとつ敵にまわしてしまいましたが(笑)、これが事実。 Beach Pressではできだけ事実のみをお伝えし、あとは読者の皆様の選択にお任せする、というスタンスをこれからも取って行きたいと思います。買うか買わないかはあなた次第!!

Beach Press編集部

参考サイト
http://www.alga.jp/sup_naturalsurfactant.html
http://moltolice.livedoor.biz/archives/50894167.html
http://blog.matsuyama.co.jp/questions/elements-process/post-32.html
http://infinistoriajp.blogspot.jp/2010/07/blog-post.html
http://bihada-mania.jp/brand/589